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お知らせ
2025/3/10
QO、環境問題への揺り戻しをテーマとした調査結果を公開
揺り戻しに対する生活者意識の実態、 グリーンウォッシュなど企業の環境対応への反応が明らかに
リサーチとプランニングでマーケティングを支援する QO株式会社(代表取締役社長:恒藤優/本社:東京都中央区、以下「QO」)は、社会課題に光を当てるSocial Issue Lab(以下、SIL)の活動の一環として、生物多様性を軸に、揺り戻しを受けている環境問題への生活者意識についての調査結果を発表しました。

【調査背景】
SILは、QOがリサーチやプランニングの技術を社会に還元する取り組みの一環として、調査の力で社会の声なき声を拾い、社会課題を知るきっかけを届ける研究機関です。昨今、環境問題にも“揺り戻し”とされる動きが欧米を中心に起きています。そうした動向を生活者がどのように受け止めているのか、揺り戻しを受けている環境問題への理解や意見等について、生物多様性の観点も含めながら明らかにする研究活動をおこなっています。
本調査は、QOがSHIP (SHIBUYA IWAI PARK 南房総市)他と共催する、地球環境の変化や温暖化による生態系への影響を多くの人々に伝えることを目的とした「SHIP SKY GALLERY 青空動物写真展*1(以下、SHIP SKY GALLERY)」に向け実施いたしました。
遠いテーマである環境問題や生物多様性に対する生活者意識の現在地を調査データから明らかにし、関心を持つきっかけをお渡ししたいと考えています。
*1 :ネイチャーフォトグラファー・上田優紀氏によって、世界各地で撮影された動物たちの写真を屋外に展示する展覧会です
【主な結果内容】
PART1:環境問題の認知度・・・ 図1PART2:環境問題の“揺り戻し”への生活者の意識実態 ・・・ 図2、3
PART3:企業や社会に対する生活者の認識や評価 ・・・ 図4、5
PART4:環境問題に対してポジティブに取り組む生活者の実態 ・・・ 図6
■調査結果の詳細
― PART1:環境問題の理解度について 【図1】
地球温暖化(7割弱)、気候変動(5割強)が上位に。生物多様性は3割強と理解度は高くない
- 環境問題についてどの程度理解しているかを聞いたところ、「地球温暖化」が7割弱、「気候変動」が5割強と上位にのぼりました。一方で「生物多様性」は、3割強にとどまり、まだ理解度を上げられる余地があることがうかがえる結果となりました。
― PART2:環境問題の“揺り戻し”への、生活者の意識実態について
「米国のパリ協定の再離脱」は7割強の人が認知している
【図2】- 環境問題・生物多様性に関わる政府の取り組みや各国の動向をどの程度知っているかを尋ねたところ、「米国のパリ協定の再離脱」は7割強の人が認知している結果となりました。
- 一方で、「気候変動枠組条約第29回締約国会議(COP29)が2024年11月に開催され、2025年以降の途上国の気候変動対策への資金支援目標が合意された」「アメリカの石油・ガス業界の業界団体である米国石油協会(API)が、パリ協定の目標を長期的に支持する旨を表明した」といった”揺り戻し”と反対の動きは、あまり知られていないことが明らかになりました。
環境問題への“揺り戻し”に対しては、様々な受け止め方が見られる
【図3】-
「環境問題への“揺り戻し”」に関する項目についての考えを尋ねたところ、そもそも知らない、賛成、反対、驚きはない、理解しているため影響もわかるなど様々な評価があることが分かりました。
- 「環境問題解決のための当初の方針や取り組みをそもそも知らない」 67.8%
- 「行き過ぎた取り組みは無理が生じるため、揺り戻しには賛成である」 62.5%
- 「揺り戻しはこれまでの取り組みが無駄になるため、反対である」 37.5%
- 「予想されていた動きなので、驚きはない」 66.0%
- 「環境問題解決のための当初の方針や取り組みをよく理解しているため、影響もわかる」 32.1%
― PART3:“揺り戻し”の影響を受ける企業や社会に対する生活者の認知や評価
ユニクロとスターバックスの取り組みが広く認知されている
【図4】- 環境問題に関する企業の取り組みについて尋ねたところ、ユニクロ社の「不要になった自社グループの服を、各店舗に設置された回収ボックスで回収し、リユースやリサイクルを実施*2」が4割強と、最も認知されていることが分かりました。次いで、スターバックス社の「バイオマス素材の使い捨てストローの使用を2025年より開始し、順次全国に拡大*3」が3割と続く結果となりました。
- 身近かつ自らが参画している実感を得やすい取り組みが、認知度を上げたと考えられます。
*2 出典:株式会社ユニクロ 2020年09月17日「お客様とともに“服を次に生かす”「RE.UNIQLO」始動」
*3 出典:スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社 2024年12月6日 「植物などから生まれたバイオマス素材「生分解性バイオポリマー Green Planet®」のストロー提供開始 沖縄県内の全32店舗で2025年1月23日(木)より先行導入し、25年3月上旬より順次、全国に拡大 リソースポジティブ実現へ、環境に配慮した店舗づくりやコーヒーかすのリサイクルも加速」
*3 出典:スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社 2024年12月6日 「植物などから生まれたバイオマス素材「生分解性バイオポリマー Green Planet®」のストロー提供開始 沖縄県内の全32店舗で2025年1月23日(木)より先行導入し、25年3月上旬より順次、全国に拡大 リソースポジティブ実現へ、環境に配慮した店舗づくりやコーヒーかすのリサイクルも加速」
“実態を伴わないと感じる環境対応もある”という評価も上位に並ぶ
【図5】- 「環境問題や環境保全活動に対する考え」について尋ねたところ、「環境問題への取り組みの体裁だけ整えればいいと考えている企業がいると思う」が6割強、「環境に配慮しているように見せかけて、実態はそうではない商品や広告を目にすることがある」が5割強と、上位に並びました。
- このような実態を伴わないと感じる環境対応への反応からは、生活者の環境問題に対する知識や意識の高まりがうかがえる結果となりました。
― PART4|環境問題に対してポジティブに取り組む生活者の実態
前向きに取り組む姿勢も明らかに
【図6】- 上述と同じく「環境問題や環境保全活動に対する考え」について尋ねた質問で、トップとなった回答は「無理せず取り入れられる、環境に良いアクションがあれば知りたい」(7割強)となりました。
- 図5の調査結果のように“実態を伴わないと感じる環境対応もある”という評価もあるものの、小さなアクションを実践し、前向きに取り組む姿勢も明らかになりました。
ソーシャルレターはこちら:ソーシャルレター(11.1MB)
■調査概要
調査対象者:全国の男女20-69歳回答者数 :3,000人
割付方法 :令和2年国勢調査の性年代の構成比に基づいて割付し、
世の中の縮図を再現
調査方法 :インターネットリサーチ
調査期間 :2025年2月17日(月)~18日(火)
調査企画 :QO株式会社
調査委託先:株式会社マクロミル
調査内容 :地球温暖化、気候変動、生物多様性といった環境問題の浸透状況
環境問題の“揺り戻し”への評価
企業・団体および政府の取り組みへの評価
【共催イベントについて】

QOがSHIPおよび南房企画と共催する「SHIP SKY GALLERY 青空動物写真展」は、地球環境の変化や温暖化による生態系への影響を多くの人々に伝えることを目的として、ネイチャーフォトグラファー・上田優紀氏による作品、世界各地で撮影された動物たちの写真を屋外に展示する展覧会です。QOからはこの企画に向けて実施した本調査のデータを提供し、写真と共に活用したコンテンツを展示しています。
■イベント概要
- イベント名:SHIP SKY GALLERY- 開催期間:2025年3月9日(日)~3月31日(月)10時〜17時 (木曜日定休日)
- 開催場所:SHIP (SHIBUYA IWAI PARK) 〒299-2216 千葉県南房総市久枝784
- 入場料:無料
- 主催:SHIPおよび南房企画
- 共催:QO株式会社、株式会社FUSION
■共催プロジェクト代表からのコメント
SHIP(SHIBUYA IWAI PARK) プロジェクト代表 牧野圭太氏
コメント
本写真展は、写真家・上田氏が世界各地で撮影した動物たちの写真を等身大で屋外展示し、地球温暖化をはじめとする環境問題について考える契機となることを目的に企画しました。企画段階において、QOの恒藤氏に相談し、現在の環境問題に対する認識を明らかにするための調査を実施。写真展では、上田氏の写真から直感的な気づきを得て、調査結果とともに理解を深めていただくことで、環境問題への関心を喚起することを目指しています。

牧野圭太(まきの けいた)、1984年生まれ。早稲田大学理工学部卒、東京大学大学院修了。博報堂でコピーライターとして活躍後、独立。2020年 DE Inc.共同CEO。2023年、南房企画を設立し、南房総の廃校を複合施設に再生するプロジェクト「SHIP(SHIBUYA IWAI PARK)」を始動。
■Nature Photographer 上田優紀氏について
上田優紀 YUKI UEDA
1988年、和歌山県出身。京都外国語大学を卒業後、24歳の時に世界一周の旅に出発し、1年半かけて45カ国を周る。帰国後、株式会社アマナに入社。2016年よりフリーランスとなり、想像もできない風景を多くの人に届けるために世界中の極地、僻地を旅しながら撮影を行なっている。
近年はヒマラヤの8000m峰から水中、南極まで活動範囲を広めており、2021年にはエベレスト(8848m)を登頂した。
https://www.instagram.com/photographer_yukiueda/
【Social Issue Lab「SIL」について】
調査の力で社会の声なき声を拾い、社会課題を知るきっかけを届ける研究機関。基幹研究やレポート等による調査結果の共有、リサーチプログラムの提供を実施。基幹研究では外部パートナーとともに「ジェンダーギャップ」や「震災支援」「防災・減災」「誹謗中傷」などのテーマを扱ってきた。【QO株式会社 について】
QO 株式会社は、人と社会のために問いを探究する、リサーチとプランニングの会社です。
博報堂のストラテジックプラニングの知見と、マクロミルのデータアセットおよびリサーチケーパビリティを掛け合わせたJV 企業として、マーケティング機会の発見、戦略策定、コンセプト開発、施策実行のPDCA まで一連のマーケティング活動に伴走します。
代表取締役社長:恒藤優博報堂のストラテジックプラニングの知見と、マクロミルのデータアセットおよびリサーチケーパビリティを掛け合わせたJV 企業として、マーケティング機会の発見、戦略策定、コンセプト開発、施策実行のPDCA まで一連のマーケティング活動に伴走します。
本社:東京都中央区京橋2-7-19 京橋イーストビル9F
設立:1965年6月
事業内容:リサーチソリューション事業、マーケティングプランニング事業
URL :https://www.q4one.co.jp/
【本件に関するお問い合わせ先】
QO株式会社 広報室MAIL:corporate.info@q4one.co.jp